ここ数十年、世界経済で起こったこと

アメリカで金兌換性が廃止

1971年8月15日、ニクソン政権化で金兌換性は廃止されましたその為、紙幣の価値が大幅に下がりました。それまで、米ドルは、アメリカが保有する金に裏付けされていました。諸外国が保有するドルはいつでも価値に相当する金に交換ができたのです。しかし、金兌換性が廃止されたため、幾らでも資産に裏付けされない紙幣を刷り続けることが可能になったのです。
米ドルの価値が大きく下落したのもこのタイミングです。1990年代のコンピューターの発達は、通貨を数字に変えました。今までは紙幣として流通していたものがコンピューター上の数字に置き換わったのです。これにより大幅に数字上の通貨は増え、通貨の価値は再度下がりました。そして更に、金融工学の発達により、大きなレバレッジが効くようになりました。アメリカの金融工学の発達により、更にはグリード(強欲)により多くの金融商品が開発されました。
リーマン・ショック時には、実体経済が6,000兆円に対して金融派生商品の規模は、6京円という実体経済の10倍の規模に膨れ上がったのです。

リーマン・ショックで何が行われたか?


100年に一度の金融危機と言われたリーマン・ショックは実質的には1年間で回復を果たしました。
世界中の国々で大規模な金融支援策が行われ市場に大量の紙幣をばら撒いたのです。融資が緩くなり、数字上の通貨もばら撒かれました。これにより、株式、不動産の大幅な下落は抑えられ中国を始めとする新興国ではバブルが発生しました。

度重って起こる金融危機


有り余る通貨、そしてレバレッジによりボラティリティの高い相場が形成されています。
何かがあればあっという間に逃げ出すお金は、市場を混乱させます。
本質的な解決を行わず、金をばら撒くことでの問題の先延ばしは結局その後の問題を更に大きくし続けます。
金融市場に携わっている人間は、少ない資金をより大きなレバレッジをかけ大きなリターンを得られれば、相応の高いボーナスを得ます。個人でも、レバレッジをかけて投資に成功すればより大きな資産を形成することができます。
紙幣が刷り続けられることで紙幣の価値がどんどん減る中この仕組を理解出来ていない人間は、二極分化の下層に落ちます。
本物の資産は価値を増し、偽物の資産は価値を減らします。この理屈を理解していたとしても、大きなレバレッジは大きなリスクを生み投資の失敗による数多くの破綻者を生み出しています。
2008年のリーマン・ショック後、上位1%の超富裕層は減った資産をあっという間に元に戻し、それだけではなく資産をとてつもなく大きく増やしました。
上位15%の富裕層も、減った資産を元に戻し資産を大きく増やしました。これ以下の25%の層は、減らした資産を元にまだ戻せていません。
そしてそれ以下の層は、減らしただけではなく、殆ど無くしたうえ貧困の罠にはまり、元に戻れなくなってしまいました。
今後も同様のことが度重なって起こることになるでしょう。この理屈を理解し、活用する側にいる人間は物凄いお金持ちになりそれを知らない側、使えない側の人間の資産は相対的に減るのです。
お金の価値がどんどん下がっているわけです。