なぜ、仮想通貨は怪しく見られているか?
そもそもの話をさせて頂きますが、なぜ「仮想通貨」が怪しいと言われるので しょうか?
それは、麻薬の取引やその他違法な商品を扱う裏サイト「シルクロード」にて、 仮想通貨界で最も流通している通貨、ビットコインが1,000億円規模で使用 されていたことや、日本を拠点としていたマウントゴックスという世界最大の ビットコインの取引所が2013年2月に破綻をしたからです。
この事件によって、「ビットコイン=怪しい」というイメージが日本人に根付 いてしまいました。
確かに怪しいですよね。
裏サイトで犯罪者に使用されていたり、マウントゴックスという聞いた事も無 いような名前で、ビットコインを世界最大規模で囲っていて、そのビットコイ ンがどこかに消えた!っていうんですから。。。
「ビットコイン=消滅!信用無し!」と捉えてしまうのも無理はありません。
しかし、もう少し本質的な部分を学んでみましょう。
まず、マウントゴックスが破綻をしてもビットコインは消滅しません。
マウントゴックスという会社は、仮想通貨の世界では「取引所」と呼ばれる分 類で、現金(円やドル)をビットコインと交換するところでした。
FX会社や銀行の為替両替をしていたとお考えください。
現実世界に例えると、マウントゴックスの破綻は銀行に強盗が入って銀行が破 綻したイメージとなります。
この点が重要です。
大手銀行に強盗が入ってその銀行が潰れてしまっても、 「日本円危ない!」という人は、いませんよね?
マウントゴックスが破綻したから、ビットコイン危な い! というのは、それと同じ事なのです。
ビットコインのシステムの外で起きた事とイメージ下さい。
しかし、それを預ける先。
取引所に預けていて盗まれたというのは事実ですので、その周辺環境にリ スクがある事は認めざるを得ません。
それを踏まえ、仮想通貨の世界がどんなものか?
という事を書いていこうと思います。
仮想通貨の大きな特徴
仮想通貨の世界の大きな特徴・・・ それは、 “特定の管理者が存在しない”です。ビットコインを例にしましょう。
ビットコインは誰か特定の組織が管理していません。
日本円であれば日銀がコントロールしていますが、ビットコインは誰も コントロールしていません。
当然、日本円のように日銀の後ろ盾もなく、はっきり言ってしまえば、 「信用」も何もあったものではありません。 誰もコントロールしていないシステムが、 “通貨システム”としてなぜ、成 立するのでしょうか?
そんなの成立するわけない!! そんなシステムあるわけない!!
と思うかもしれません。
でも成立しているのです。
誰もコントロールしていない謎の通貨システム「ビットコイン」。
まずは、「ビットコインは特定の組織がコントロールしているものでは ない!」という事を頭に入れてください。 じゃあなぜその謎のシステムが成立するのでしょうか?
管理者がいない謎のシステムが動く理由について説明をしてみます。
まず重要なポイントとして、ビットコインはビットコインのシステムが 立ち上がってから、過去全ての取引が公開されています。
AさんがBさんに5ビットコイン(以下、BTC)を送金したら、「A→B 5BTC」と取引履歴に追加されます。 以降、「B→A 3BTC」「A→C 2BTC」といった感じで送金 がされるごとに履歴が追加され、徐々に取引履歴が大きくなっていきます。
この取引履歴は、
全てのユーザーが閲覧可能です。
という事は、その取引履歴を見れば誰がどのくらいのBTCを持っているか、すぐに分かるような仕組みになっています。
取引履歴というより、ビットコインの帳簿をみんなが閲覧できるという 表現の方が分かりやすいかもしれませんね。
全て公開されているという事は、自分の口座残高なんか筒抜けじゃない か!という話になるのですが、結論から言うと筒抜けです。 ただし、
ビットコインの財布(ウォレット)を作る時に、自分の名前は 登録しません。
財布(ウォレット)を作って見ると、口座番号が与えられますが、口座番号は、
1XXXezXXsXX687vXmX6hXzfXXXzgXXXmgi
というようなランダムな文字列で表され、
1XXXezXXsXX687vXmX6hXzfXXXzgXXXmgi
↑さんが、いくらのビットコインを持っているかは、帳簿で確認できます が、 個人情報は登録しないため、それが誰の口座番号か?という事は、 分かりません。
つまり、帳簿に全て記録されているといっても匿名で登録されているの で、“プライバシーは守られる” と言えます。
先の「A→B 5BTC」という履歴があっても、AやBが実際誰かは 分からない・・・という事ですね。
「全ての取引履歴が公開されている」
ここまでは問題無いかと思います。
もう一歩進んでみましょう。
実際の事を考えた時に、実は「公開」という表現は正しくありません。
より正確な表現をします。
「公開」ではなく「保有」です。
ビットコインを扱うユーザーは、ビットコインを使うためのアプリをP Cにダウンロードします。
その中に、ビットコインの全取引履歴・・・すなわち帳簿が入っているんです。
ですので、ビットコインを扱う全ユーザーが、ビットコインの帳簿を持 っている事になります。
みんなで帳簿を手元に持っているので、誰かが不正送金をしようとした ら、帳簿を見て「それダメだよ!」って言えるわけです。
ビットコインというのは、誰か特定の管理者が管理をしているのではな くて、こうやってみんなが、「ビットコインの帳簿」を持っていて、つ まりは不正を判断するための判断材料を持っていて、お互いに監視しあ って成り立っているわけですね。ビットコイン、仮想通貨の世界は、「誰か特 定の人が管理しているのではなくて、ユーザ ー全員で管理している」というのがポイント なのです。
例えば、Aさんが5BTCしか持っていないのに、10BTCを誰かに 送金しようとしても、帳簿を見れば不正だとすぐに分かり、送金が拒否 されます。
特定の管理者がいませんが、ユーザーが自分の手元の帳簿を見て、ユー ザー同士が監視をしあっています。
実際に、ビットコインの送金のイメージをもう少し深掘りしていきたい と思います。
この内容が理解できてくると、、、
「仮想通貨の世界がなぜ無限の可能性を持つか?」という事が分かりま すので、頑張ってついてきてくださいね。
ちょっと文章だけでお伝えすると理解しづらくなってしまいますので、 図解も使って説明をしていきたいと思います。
続く